介護業界は長年人手不足に悩まされてきました。介護職は体力的にも精神的にも負担が大きいというイメージがあり、職場によってはシフト勤務のために夜勤や早朝の勤務が避けられないことから、きつい仕事と思われ、求職者にアピールしにくいという状況が続いていました。一方で、人口に対する高齢者の割合は高くなっていることから、デイサービスセンターなどの通所施設から入居施設、訪問サービスなど高齢者介護サービスの需要は高まっています。
人手不足とニーズの高まりは、見方を変えれば困りごとではなく、大きなビジネスチャンスでもあります。これに注目したのがベンチャー企業です。

例えば、従来一般的であったシフト勤務ではなく、ワークシェアリング方式を取り入れた企業があります。介護の仕事をしたい人が、自分の都合のよい時に短時間働くことができるため、専業主婦や定年退職後の求職者も無理なく介護の仕事に参加できるようになりました。介護の現場では、介護士や看護師の免許を必要としない業務もあるので、こういった短時間勤務のワーカーが職場に参入することで専門職のワーカーは自分たちにしかできない専門的な職務に専念することができ、仕事の負担が軽減されます。
人材のシェアといった働き方の変化に加えて、ケアマネジャーのアシスタントとして働く人工知能も複数開発されており、介護業界にもIT化の波が押し寄せています。介護の仕事への古いイメージは急速に変わっていくでしょう。その他、ここで例として紹介したもの以外にも興味があるなら、介護業界の問題解決に取り組むベンチャー企業の具体例を見てみてください。